ウイスキーあれこれ

ウイスキーとは?

大麦やライ麦、トウモロコシなどの穀類を原料とした蒸留酒を機の樽で貯蔵したもの。

ウイスキーの歴史

蒸留技術はアイルランドを経て、同じケルトの文化圏のスコットランドに伝わったといわれる。
1172年、イングランド王ヘンリー2世のアイルランド遠征時に「ウスケボー」と呼ばれる酒が記録される。「ウスケボー」はケルト語の一種で、「生命の水」という意味。
1494年、スコットランド大蔵省「修道士ジョン・コーに『生命の水』(≠薬)のための発芽大麦8ボル」と文書に記載。この頃からウイスキーは地酒として飲まれていた。
ボルとは??
1707年、イングランドとスコットランドが併合。
1713年、大英議会「麦芽税」をスコットランドに適用。これ以降、反発したスコットランド農民による、山間部でのウイスキー密造が盛んになり、カモフラージュにシェリー種の樽に詰めたり、樽ごと地中に埋めて隠していた。するとこれが幸いし、癖が強かった地酒は熟成されて美酒に変わった。
1877年、フランスのぶどう園がフィロセキラ虫の被害によりワインやウイスキーの入手が困難になった英国で、ウイスキーの消費が拡大。

ウイスキーの種類

シングルカスクウイスキー
モルト原酒の中から特別に選ばれたひとつの樽のウイスキーを簡単な濾過のみでそのまま瓶詰めしたウイスキー。
その樽の量しか同じ味わいのものはなく、数量限定品となり高価。

シングルモルトウイスキー
ひとつの蒸留所で作られたモルト原酒だけをヴァッティング(混和)したウイスキー。
蒸留所ごとの製法や環境風土による個性が強くあらわれる。

ピュアモルトウイスキー
複数の蒸留所で作られたモルト原酒をヴァッティングしたウイスキー。
「ブレンデッドモルトウイスキー」とも呼ばれる。

グレーンウイスキー
グレーン(grain)とは「穀物」のことで、主にとうもろこし主原料に少量の大麦を加えて、連続式蒸留機で蒸留されたウイスキー。
スコッチウイスキーでは「デントスコーン(馬歯種)」が最も使用される。
モルトウイスキーに比べて穏やかで香味が控えめで味気ないため、「サイレンススピリッツ」と呼ばれることもあるが、ブレンド用としてモルトウイスキーを引き立てる役目を持つ。
当初グレーンウイスキーはウイスキーとして認められておらず、裁判の末、1909年、正式にウイスキーとして認められた。
元来モルトウイスキーよりも低コストのウイスキーを目指してつくられたため、安価な原料の使用に加え、製造設備も大量生産ができる「連続式蒸溜機」にて製造される。

ブレンデッドウイスキー
モルト原酒とグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキー。
通常、モルト原酒は1種類ではなく、様々なタイプのものがバランスよくブレンドされている。
1853年、エディンバラのアンドリュー・アッシャーが、ブレンデッドウイスキーを発売。


産地によるウイスキーの種類

ウイスキーは現在世界中で生産されているが、以下の5カ国がメイン。

スコッチウイスキー(Scotch Whisky)

アメリカンウイスキー(American Whiskey)

1770年、アメリカでライウイスキーが生産される。
1789年、アメリカで初のバーボンウイスキーを、ケンタッキーのクレイグ牧師が製造。
1851年、アメリカのメイン州に禁酒法、13州に広がる
1933年、アメリカで禁酒法が撤廃。同時にカナダはアメリカ市場に進出

カナディアンウイスキー(Canadian Whisky)

1787年、カナダのケベックに3ヶ所、モントリオールに1ヶ所の蒸留所。

アイリッシュウイスキー(Irish Whiskey)

ジャパニーズウイスキー(Japanese Whisky)

1853年、アメリカ大使のペリー、日本にウイスキーを持参
1943年、日本、酒税法でウイスキーの等級を定める
1989年、日本、ウイスキーの等級を廃止



ウイスキーの製法

原料

穀類
  • モルトウイスキーの場合
  一般的に厳選された二条大麦が原料となる。
  • グレーンウイスキーの場合
  ライ麦、とうもろこしなどが原料となり、粉砕後、糖化するために蒸される。
  穀物のでんぷんを糖化するために、少量の大麦麦芽も用られるが、発芽・乾燥の際はピートを用いない。
  • 仕込み水とも呼ばれる。
  • 醗酵の工程で重要な役割を果たす酵母の生育に好ましい適度なミネラル分がバランス良く含まれることが重要。

工程

製麦
糖化の工程の前に、酵素を大麦自身の中につくらせる為、発芽した麦を乾燥させ麦芽を作る。
  • 大麦を水に浸し発芽させる。
  • ピート(草炭)の煙でいぶして乾燥させる。このときにウイスキー独特の香りがつく。
  • 乾燥した麦芽を粉砕して糖化の工程へ進む。

糖化(仕込み)
酵母は糖分をアルコールに変えることはできても、大麦のでんぷんをそのままアルコールに変えることはできない為、糖化という工程が必要になる。
糖化槽に乾燥・粉砕させた穀類と約60℃の仕込み水を加えてお粥状態に攪拌すると、大麦麦芽中の酵素の働きが活性化しデンプンが麦芽糖に変化し、「糖化液」と呼ばれる生まれた甘い麦汁になる。
これをろ過して、醗酵にむかう為の麦汁をつくる。

醗酵
糖化液をアルコール分約7%の醗酵液に変える工程。
  • 醗酵中の麦汁に酵母を加えると、酵母は麦汁中の糖分を分解し、アルコールと炭酸ガスに変え、ウイスキー特有の香味成分をつくる。
  • 糖化液を醗酵槽に移し、酵母を加えて醗酵を促す。約60-72時間で麦汁に含まれた糖が醗酵し、7-8%のアルコール分を含んだビール上の液体(醗酵液=もろみ=ウォッシュ)に変化する。
  • モルトウイスキーの醗酵槽に比べ、グレーンウイスキーの醗酵樽のほうがサイズが大きい。

蒸留
醗酵液からアルコールと香味を取り出す工程。
水とアルコールの沸点の違いを利用(水は100℃、アルコールは約78℃)していて、蒸気を発生させこれを冷却、液体化させ、アルコールや香気成分などの揮発成分だけをとり出す。
  • モルトウイスキーの場合
  単式蒸留機(ポットスチル)を使って2回行なわれる。
  初留で醗酵させた麦汁は、アルコール分が20%程度の液体。
  再留するとアルコール分が65-70%の蒸留液(=ニューポット)になる。

貯蔵・熟成
蒸溜で出来たニューポットを樽の中で長期間寝かせる工程。
無色透明であったニューポッドが長い年月を経て、琥珀色に変化する。
  • グレーンウイスキーの場合
  アルコール分は94%程なので、水で薄めて樽に詰め、貯蔵庫に寝かせる。

ブレンド・再貯蔵
モルトウイスキーやグレーンウイスキーを混合・調査和させること。
ブレンドされたウイスキーはもう一度樽詰めされ再貯蔵されることにより、バランスの取れた美味しさを生み出す。

蒸溜機

連続式蒸留機

1826年、ロバート・スタインが連続式蒸留機を発明。
もともとは、工業用アルコールやジンの材料を得るために使用されていた。
グレーンウイスキーの蒸留で利用される。
パテントスチルとも呼ばれる。

カフェ式連続式蒸溜機

  • 1831年、イーニアス・カフェが連続式蒸留機を改良して発明。
  • 1832年、タブリンにカフェ式連続式蒸溜機を使った蒸留所が登場。
  • もろみ塔と精留塔の二塔からなる。
  • 通常の連続式蒸溜機に比べ蒸溜効率は劣るが、蒸溜液には穀物由来の香りや成分がわずかに残すことが出来る。そのため、蒸留液を熟成後にモルトとブレンドし貯蔵すると、モルトの個性を引き出しながら新たな香りと味わいを生み出すことが出来る。


ウイスキー樽について

ウイスキーの貯蔵・熟成には樽の材質や容量、貯蔵される際の庫内での場所、積み上げる段数、温度や湿度といった要素が複雑に作用し、樽から木材成分が溶け出したり、樽材を通して空気と接触することでも蒸留液のさまざまな成分が変化する。
樽熟成のメカニズムはまだ解明されていない部分もあり、「時の技」と呼ばれる。


樽の種類1

名称 説明
新樽 熟成に未使用の樽。
一般的に、ウイスキーの刺激臭を消すために樽の内側を焼き焦がす。
旧樽 複数回熟成に使用した樽。
活性樽 旧樽の一部に新材を組み込んだウイスキー樽。

樽の種類2

名称 説明
ウイスキー樽 ウイスキー熟成のために生成された樽。
2回目以降は「旧樽」と呼ばれ、旧樽の一部に新材を組み込んだものを「活性樽」と呼ぶ。
新樽に近いほど風味・色の元となるタンニンが多く存在しているため、個性が強く渋みや色が濃くなる。
旧樽になると、色薄くまろやかでおとなしくなる。
シェリー樽 シェリー酒の熟成に使用された樽。旧樽。色濃く赤みががかり、甘みが多くなる
バーボン樽 バーボンウイスキーの熟成に使用された樽。旧樽。他に比べてハードな味わいになる。リメイド樽(活性樽)になると、若干のかたさが薄れていく。


  • 樽の焼き具合
焼き具合が多くなると焦げ臭い香りとなり、焼き具合が少ないと生の木香が原酒に移りやすい。


  • 最終更新:2018-08-28 14:36:38

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